旧土肥家住宅〔主屋/隠居屋〕~ひたち海浜公園内にある県指定有形文化財
#ベタな茨城紅葉の旅20 として、令和02年(2020)10月下旬の茨城の紅葉を巡る旅。
二日目(10月26日)は、ひたちなか市にある国営ひたち海浜公園に訪問しました。
ひたち海浜公園の、この時期(10月下旬)の見どころは、みはらしの丘に広がる、コキアの花/紅葉。10月26日の訪問段階では残念ながら、真っ赤なコキアの色は拝むことができず、色が少し抜けて黄金色になりつつある状態でした。
旧土肥家住宅 主屋 隠居屋 / 茨城県指定有形文化財
国営ひたち海浜公園 みはらしの丘から見て西側に、二棟の古民家が建っていることが確認できます。みはらしの丘を下り、古民家に近づくと、この二棟の建物は「旧土肥家住宅」であることが分かりました。
向かって右手が「主屋(おもや)」。左手が「隠居屋」。
いずれの建物も、茨城県指定有形文化財です。
指定されたのが平成30年12月27年であり、約2年前と最近の指定になります。
名称:旧土肥家住宅 主屋/隠居屋 2棟
住所:ひたちなか市阿字ケ浦町字千駄切552番13(国営ひたち海浜公園「みはらしの里」)
管理者:国土交通省関東地方整備局国営常陸海浜公園事務所
指定年月日:平成30年12月27日
旧土肥家住宅(主屋)
旧土肥家住宅は、もとは新利根村(現茨城県稲敷市)にあり、江戸時代の前期と中期に建てられたとても古い民家で、主屋と隠居屋の2棟からなっています。
主屋は、構造的な特徴や部材調査から、隠居屋より古い西暦1600年代半ばに建てられたと考えられ、東日本では最も古い民家のひとつです。2棟は左右対称のよく似た間取りとなっていますが、右の間隔が異なり、面積は主屋の方がおおきくなっています。
屋根は、主屋・隠居屋共に茅葺きで、茅や稲わら、篠竹(しのだけ)など、違う材を幾重にも重ねる「段葺き」と呼ばれる美しい葺き方になっています。
茅とは屋根を葺く草の総称で、ここではススキを使っています。
屋根:段葺き
建物内部:天上/床
建築年代:1600年代半ばころ
規模:桁行7間(13.7m) / 梁間4間半(9.7m)
延床面積:134㎡(40坪)
形式:直屋(すごや)
屋根:寄棟造 茅葺き
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旧土肥家住宅(隠居屋)
旧土肥家住宅は、もとは新利根村(現茨城県稲敷市)にあり、江戸時代の前期と中期に建てられたとても古い民家で、主屋と隠居屋の2棟からなっています。
隠居屋からは「宝永03年」(西暦1706)の墨書が発見され、建築年代が明らかになりました。2棟は左右対称のよく似た間取りとなっていますが、右の間隔が異なり、面積は隠居屋の方が小さくなっています。
隠居屋の屋根は「せがい」と呼ばれる軒天井があり、主屋より軒の出が大きく、高さもあります。
建物内部:天上/床
建築年代:1706年(宝永03年)
規模:桁行7間(13.6m) / 梁間4間半(8.6m)
延床面積:117㎡(35坪)
形式:直屋(すごや)
屋根:寄棟造 茅葺き
主屋と隠居屋の違い
主屋には天上がなく、床はすべての部屋が板敷ですが、隠居屋は「ザシキ」、「ヒロマ」、「ゲンカン」に天上が張られ、「ザシキ」は畳敷きで、床の間があります。また、主屋の建具は板戸ですが、隠居屋は一部に障子が入っています。開口部が多く、開放的になっています。
主屋・隠居屋とも、南側に2間分の格子窓がありますが、これは「シシ窓」と呼ばれており、古い民家の特徴となっています。
さいたま市の市内最古の古民家
俺っちの住む、さいたま市内の現存する最も古い民家は、浦和くらしの博物館民家園にある「旧蓮見家住宅」。
住所:埼玉県さいたま市緑区下山口新田1179−1
営業時間:午前09時~午後04時30分(16時半)
定休日:月曜日
※正確な営業日時、定休日は直接ご確認ください。
- 旧土肥家住宅 主屋:1600年代半ばころ
- 旧蓮見家住宅:江戸時代中期 1700年頃?
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さいたま市内最古とされる「蓮見家住宅」でさえ建てられたのが「江戸時代中期(=1700年ころ?)」と考えられています。
ひたち海浜公園内の「旧土肥家住宅 主屋」が建てられたのが「1600年代半ばころ」とされているので、いかに「旧土肥家住宅主屋」が古い建物なのかが分かります。