十日夜のわらでっぽう
「十日夜(とおかんや)」は、旧暦10月10日に行われる収穫祭。稲の刈り取りが終わり、田の神が山に帰るひとされています。北関東を中心に甲信越から東北地方南部にかけて広く分布されています。
藁鉄砲(わらでっぽう/わらてっぽう)
「十日夜」では、稲の収穫を感謝し、翌年の豊穣を祈って田の神に餅が献上されるほか、稲刈り後のわらを束ねて「藁鉄砲(わらでっぽう)」を作り、地面を叩く行事が行われます。地面を叩き、農作物の害虫とされる「もぐら」を追い払う意味を持たせています。
十日夜のわらでっぽう(とおかんや の わらでっぽう)
わらでっぽう行事では、わらでっぽうのわっか部分を持ちます。(ふとんたたきは棒の方を持ちますが、その逆です)
わらでっぽうのわっか部分を持ち、一回転させて地面を強く叩きます。先に述べた通り、農作物の害虫とされる「もぐら」を追い払うことが目的のひとつだからです。
動画:藁でっぽうを地面にたたきつける
藁でっぽうは、わっか部分を持ち、ぐるりと一回転させて棒側を地面にたたきつけます。動画はTwitterより。
#十日夜のわらでっぽう を体験させてモラッタんだっぺ〜。#とおかんやのわらでっぽう #十日夜の藁鉄砲 #さいたま市 #旧坂東家住宅 pic.twitter.com/Xttc5QbeXp
— 豆日刊茨城 ツイッター ver. (@_ibaraki_news_) March 19, 2021
取材先:旧板東家くらしっく館
旧板東家住宅見沼くらしっく館
『旧板東家住宅』(さいたま市指定文化財)を中心に、かつての農家のすがたを再現する博物館。主屋内の公開のほか、当地で行われてきた年中行事の再現、昔のくらしの体験学習、古民家を活用した催しなど、さまざまな博物館活動を行っています。

囲炉裏に火を入れています
旧板東家くらしっく館 の旧板東家では、ボランティアの手により平日午後、暖炉に火が入れられます。

この種の古民家で暖炉に実際に火を入れる行為を行うのは、割とレアだと思います。
暖炉に火を入れる目的として「観光的要素」もありますが、効能的な理由として、
- 火を起こし、煙を発生させることで、茅葺きの藁の防虫効果が得られる
- 火を起こした煤(すす)により、萱葺き屋根の撥水効果が得られる
といったメリットがあると、教えていただきました。
アクセス : 旧板東家くらしっく館
種別 有形文化財 建造物(1棟)
指定日 平成03年10月03日
所在地 埼玉県さいたま市見沼区大字片柳1266-2
所有者 さいたま市
構造 木造・寄棟萱葺屋根、土壁、平屋建て
延床面積 約87坪(285.77㎡)
建築年 江戸時代、安政04(1857)年04月10日墨書銘
開館時間 午前09時~午後04時30分
休館日 月曜日(祝日は除く)、祝日の翌日(土日祝は除く)、年末年始(12/28-01/04)
入館料 無料
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… #さいたま市見沼区ID
〔 この項おしまい 〕
昔の道具「唐箕」を使う 210118 ※外部サイトです
この種の古民家では内部に立ち入りすることを制限する施設も多いですが、旧板東家では自由に建物に上がり、内部を見学することができます。