「水戸はダメ。死ね」ってなぜ、言ってしまったか? を考察する 190312

「水戸はダメ。死ね」ってなぜ、言ってしまったか? を考察してみる

都道府県魅力度ランキング 6年連続最下位

なんでも、ブランド総合研究所が(2018年)10月15日に発表した「都道府県の魅力度ランキング」で、我が茨城県は6年連続で47位となってしまいました。日本は47都道府県しかないので、残念ながら全国最下位、ビリっけつ、と言う事になります。

ワタクシ自身、あまりこの手のランキングは気にしておりません。
茨城はたくさん魅力あるけど、茨城県外に対してのアピールの仕方が分かっていない、間違っているだけだと思っています。
正しい表現方法さえ見つかれば、“誤解”は溶けるものだと信じています。

 

ひどいキャンペーンだった「なめんなよ♥いばらき県」

ところが、数年前、茨城県出身である綾部祐二氏、渡辺直美氏を採用した「なめんなよ♥いばらき県」のキャンペーンには、正直残念さを感じました。
魅力度ランキングが最下位であることを逆手に取り、開き直りをアピールしたキャンペーンなのでしょうけれど、アレは茨城の顔に泥を塗るようなひどいキャンペーンだったと思います。過去形で書いたのは、あのキャンペーンが過去のものであり、忘れたい事実だからです。

暴走族、ヤンキーネタは恥ずかしい

また、茨城をアピールするときに、暴走族(珍走団?、ヤンキーなど)をネタにするのも止めてほしいです。
TV番組で面白おかしくトークをしたいがために、茨城出身タレントが暴走族ネタ、ヤンキーネタを笑顔で話をしています。しかしアレはただの恥の上塗り。この世の中に、暴走族やヤンキーがいる県に観光に来たいと思うでしょうか?

 

「自然がいっぱい」で逃げるな

「茨城の魅力は何ですか?」と聞かれて、「自然がいっぱいです!」と抽象的にアピールするのも、賢く見えません。事前に“決めぜりふ”的なものを用意しておくべきだと思います。

 


「水戸はダメ。死ね」の発言について(考察)

さて、今年(2019)01月に、茨城県の営業戦略部の某部長がSNS(FACEBOOK)に、「水戸はダメだな。死ね!」と書き込みをし、直後に削除、謝罪へと追い込まれた事故?は記憶に新しいです。

某部長当人は「書き込んだ記憶が無い」と言っているので、そう信じたい。
が、酒の席で書き込んだ、との情報もあり、やっちまったな!との面も否めません。

ここでポイントなのは「某部長が何を言った」ことが重要なのではありません。誰が彼に、そんなこと(=「水戸はダメだな。死ね!」)と言わせたのか? それが重要です。

 

前茨城県知事_橋本昌

前茨城県知事_橋本昌

一昨年(2017)の08月に行われた茨城県知事選挙で、大井川和彦氏が、6期茨城県知事を続けた橋本昌氏を破りました。
その大井川新県知事により、 2018年04月に発足されたのが「茨城県営業戦略部」という新部署です。

新茨城県知事になり、茨城の名誉回復の動きは加速しました。
消費者に対して見える形で動いたのが、銀座にあるアンテナショップ「IBARAKI sense(イバラキセンス)」の改装開業です。

茨城県庁〔茨城県水戸市笠原町〕

茨城県庁〔茨城県水戸市笠原町〕

そのような名誉回復の活動を進めるに当たって、やっぱり資金、予算は必要になります。茨城県の税収にも限りがあります。

どうやったら(予算となる)お金を集めることができるだろう。
役人上がりであった前茨城県知事橋本昌氏とは異なり、民間企業上がりである大井川和彦県知事のことですから、予算の捻出方法なども会議にかけられたことでしょう。

トップが民間上がりであっても、会議ではなかなかクリエイティブな案が出てこない。そんな中で出てきたアイデアが、「県外から来る客から、お金を徴収したら良いんじゃないか?」という趣旨のものだったのではないでしょうか。

そうテーマが決まると、つぎつぎに節操のないルールが作られていく。
・入場無料でやってきた偕楽園で、来場者からお金を取る!?
・それも、茨城県外からのみのお客を限定して?
・偕楽園は4つも、5つも入口があるんだぞ!?

偕楽園の”現場感”が整わないまま、この会議で出たアイデアは進み、その実行責任者として役割を与えられたのが先の某部長でした。

某部長は知っています。
あの偕楽園で、県外からの来場者を選別し、お金を徴収する。
そんなことはマンパワーから言っても、できるわけがない。
水戸の梅まつり期間中の、あの偕楽園の混雑状況を、“上”の人は目で見たことがあるのか!?

しかし一般企業でもありがちですが、一度転がり始めた岩は、動き始めると正しい、正しくないに関係なく、どんどん転がっていきます。

絶対無理だ。
会議で決まったことだ、進めろ。
絶対無理だ。
会議で決まったことだ、進めろ。

そんなやりとり、悩みを抱えたまま、某部長は仕事帰りに同僚や部下たちと一杯飲むことになります。

時として、仕事に矛盾はつきものです。

しかしこの「偕楽園有料化」が結果として、茨城県の魅力を下げてしまったり、茨城県への来場者を減らす要素になりかねない。

酒が進み、自分が自分であるのかないのか。
酒で意識がもうろうとしたときほど、本心が出てしまいがち。

意識がもうろうとしているなかで、無意識にいつもの手慣れた操作でFacebookを開き、書き込んでしまいます。
「水戸はダメ。死ね」

FaceBook上で書かれた文字列は、閉鎖された空間での発言ではあったものの、数百人のメンバーが見る環境下では書き込んだ本人の意図することなく、外部に漏れていきます。まるで、昨今のバイトテロのように。。。

 


茨城県の一族

茨城県庁〔茨城県水戸市笠原町〕

茨城県庁〔茨城県水戸市笠原町〕

某部長「私は茨城、水戸が憎くて、死ね!と言ったんだ!」

金田一幸甚「いや、部長さん、違うでしょ。」

某部長「県外から来た観光客から、偕楽園で入場料を取ればいいんだ!そうすれば、茨城県の財政が潤う!」

金田一幸甚「いや違う!違う!部長さん、あなたは水戸が好きなんでしょ?そして、茨城が好きなんでしょ?」

某部長「!!」

金田一幸甚「本当は、県外の人からも水戸、茨城を知ってもらいたい、楽しんでもらいたいと思っているはずです! 会議で有料化が決まってしまったために、”損な役どころ”を押し付けられ、自暴自棄になっているだけだ!」

某部長「う、うう、、うぉ~(泣き崩れる某部長)」

金田一幸甚「この事件に犯人はいません。仕事と愛情の間に挟まれた中から生まれてしまった、偶然の産物だったのです。」

【 完 】

≪注≫本作品はフィクション(作り話、創作)です。