茨城百景 堅割山
茨城百景 名称 | 堅割山 |
読み方 | たつわれさん / たてわりさん |
包含風景 | 黒前神社 |
地域 | 茨城県日立市 |
碑の現存 | 現存する |
実際の碑への記載 | 竪破山 ※割→破 |
説明 | |
関連リンク | |
注釈 | |
#茨城の山々16春 |
茨城百景 堅割山 / 竪破山
堅割山 / 竪破山(たつわれさん)(標高:658m)は、阿武隈山地の中程、すぐ北側が高萩市となる山です。茨城百景「堅割山」は現在、日立市の扱いですが、市町村合併前までは十王町でした。
常磐線十王駅から県道60号を西へ7キロほど上ると、右手に「茨城百景 堅破山 黒前神社 入口」の立て看板がありますので、右折します。看板のすぐ足下には、「堅破山黒前神社 是より一里二十町」と彫られた碑。バス停「新田」。時刻表を見ると、バスは平日にのみ、3本運行されています。
山間のなだらかな道を上っていきますと、山間部の民家がぽつりぽつりと建っています。一の鳥居を過ぎるとと駐車場(トイレあり)があり、車で来た人はここから堅割山を徒歩で登山していきます。
途中、「太刀割石(たちわれいし)」(縦直径7mx横直径6mx高さ2.5m)があり、大きな岩がひとつは倒れ、ひとつは立ったまま。
八幡太郎源義家が寛治元年(1087)《永保03年(1083)の説もある》奥州征伐に行く途中、黒前山に登り、黒前神社に戦勝を祈願しました。その折、夢の中で「黒坂命」から剣を授かりました。目が覚めた吉家がその剣で巨岩に一振りすると、巨岩は真っ二つになりました。義家は「これは吉兆」と喜び奥州へ。見事大役を果たした、と言う話しです。
昔、茨城(現:石岡市)のあたりには凶暴な土ぐも(=「国巣」(くず)とも言う)が山の斜面や崖などに穴を掘って住んでおり、里人を襲っていました。そこに黒坂命が、土ぐも退治に乗り出し、土ぐもが巣から出ているときに、野茨(のいばら)で穴の入口をふさいで城(き)をつくりました。戻ってきた土ぐもは、巣に潜り込もうとしたところ、茨に突き当たったり、引っかかったりして傷を負い、退治されてしましました。
「茨(いばら)」で「城」を作ったから「茨城」となりました。
また、隠居した徳川光圀公がこの山に登ったとき、「最も奇なり」と感銘し石の名前をつけたと言われています。以前は「磐座(いわくら)」と行って、神の宿る石として石のまわりにしめ縄を張り巡らし、みだりに石の上に登ることはできませんでした。
ほかにも、「胎内石」、「神楽石」、「甲石」、「舟石」などと名付けられた七奇石と呼ばれる岩岩があり、登山の風景に抑揚を付けています。
後生車(ごしょうぐるま)と呼ばれるものが、堅割山にはありますが、御岩神社にも同様の後生車があります。
→ 茨城県内に見られる『後生車』~後生車ってなに?
茨城百景 包含風景 黒前神社
黒前神社(くろさきじんじゃ)は堅割山頂上付近にある神社で、祭神は黒坂命。坂上田村麻呂、源義家の伝説を残しています。黒坂命は『常陸国風土記』において、土ぐも(国巣/くず)を追い払った英雄。また「茨城」という地名の由来にも、大きく関わっています。
この「太刀割石」が、映画にもなった大人気マンガ『鬼滅の刃』の聖地になっているんだって!