早返り人形~日立風流物のからくり人形
『日立風流物』は、操り人形を乗せたからくり仕掛けの山車のことです。
日立風流物に乗る「人形」は、首(かしら)、胴体(どうがら)、腕と手から構成されます。人形を製作し、操作する人を「作者」とよびます。
日立風流物の「人形」は、大きく分けて2種類あり、一瞬のうちにくるりと回転する「早返り人形」と、「そうでないもの」とに区分されます。
- 早返り人形
- そうでないもの
「早返り人形」による回転
「早返り人形」の構造は、中心軸から上下に頭部(首/かしら)をそれぞれ持ちます。
天地がくるりと回転し、頭、身体が入れ替わります。
入れ替わる部分を隠しておく必要があるため、人形の衣装は必然的に「袴(はかま)」のようなものになります。
人形の回転だけでは裾が乱れたりしてきれいに仕上がらないので、作者により「衣装直し」が行われます。
人形の左右の動き
人形を左右に移動させる仕組みは「すべり」とよばれるもので、カーテンレールを横にしたような構造になっています。
表館(おもてやかた)が開いた状態のときに足場に「すべり」が設置されており、その上を人形(の土台フレーム)を左右に滑らすことで、人形の左右の動きを演出します。
早返り人形 のつくり
日立風流物で使用される人形の胴体には「箱胴」と「カゴ胴」があります。「早返り人形」は胴体を箱形に作って、腕を付ける「箱胴」になります。
- 箱胴 → 早返り人形
- カゴ胴
人形の動き:基本動作(操作)
日立風流物で使用される人形は、人形一体につき、作者が2~3名で操作します。
主な動作は以下の通りです。
- 首:上ー下、左ー右の首振り
口:開ー閉
眼:上ー下、左ー右の動き
眉:上ー下 - 肩:前ー後の回転運動
- 上肘:90度小手返し
90度腕上げ - 腕:180度小手返し
曲げーのばし - 手首:左ー右、上ー下の動き
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〔 この項おしまい 〕
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平成17年度 日立神峰神社 大祭禮 050504 ※外部サイトです
《参考文献》
- ガイドブック 日立風流物 (発行:日立市郷土博物館)
- 日立風流物 -歴史と記録- (発行:日立郷土芸能保存会)P121