茨城県岩瀬町 / 真壁町(県西)/つくば市 / 土浦市(県南)
:2003年03月22日(土)取材
筑波鉄道 岩瀬駅-筑波駅ウォーキング
その昔、常磐線 土浦駅(茨城県土浦市)から筑波山がある筑波駅(茨城県現つくば市)を経由し、水戸線 岩瀬駅(茨城県現桜川市)に向かう鉄道がありました。
その名もずばり「筑波鉄道」。
筑波鉄道は昭和62年、国鉄がJRに変わる年に、ひっそりと消えていった私鉄です。
茨城県土浦市(正確に言うと千代田町)は、母方のきょうだいが住んでいて、幼いころから何度も訪れています。私自身も、千代田町や土浦市内に住んでいた事もあり、第2のホームベースであるといっても過言ではありません。県外に出てしまった後も、幼いころに何度か常磐線に乗る機会があり、神立駅まで行くことがありました。しかし筑波鉄道の存在や、筑波鉄道が廃線になったことは、恥ずかしながらつい最近、知ったことでありました。
筑波鉄道は岩瀬駅-土浦駅間を結ぶ鉄道であることは、前出の通り。岩瀬-土浦間のちょうど真ん中に位置するのが、筑波駅です。ここ数年、茨城県を旅するようになってから、筑波駅には何度か訪れています。そして、筑波駅から土浦駅までのつくばりんりんロードは、昨年2002年の夏に、折りたたみ自転車で走破しております。しかし、筑波駅から岩瀬駅のつくばりんりんロード区間は未知の領域。一度は訪れたい、そう思っていました。
東北本線 宇都宮線小山駅で水戸線に乗り換える
8時に起床!。
3回目の「青春18きっぷ」を使用すべく、外出しますー!
大宮駅に向かい、12時30分の東北本線宇都宮線に乗り込みます。目指すは小山駅。
途中の古河駅(茨城県古河市は茨城県最西の駅)で降りることも検討しましたが、私の住む地元から近いし、またの機会にすることにします。
13時20分、電車は小山駅に到着します。

東北本線 宇都宮線 小山駅
大宮駅からおよそ50分で小山駅に到着。こんなに近かったんですねー。
友部駅方面行きの水戸線は13時34分の発車。
まだ時間がありますので、小山駅構内だとか、駅からの風景だとかを撮影します。

JR小山駅 駅名標
小山遊園地で有名かも。でも小山遊園地は一度も行ったこと無いです。

小山駅 水戸線ホームへの通路
利用者多し。東北本線と離れたところにホームがあるのが寂しい。
そろそろ友部行きの水戸線が出発します。水戸線の電車の中は座席が程よく埋まっており、割り込んで座るのが気が引けます。立ったまま電車に乗ることにしました。
水戸線 岩瀬駅に到着
小山駅を出発した水戸線。30分ほど経った14時10分、岩瀬駅に到着します。

水戸線 岩瀬駅に到着
岩瀬駅ホームに降り立つと、友部駅行きの電車は出発してしまいました。
岩瀬駅はその昔、筑波鉄道の出発駅。筑波山の筑波駅を経由し、土浦駅まで続くローカル線でした。しかし筑波鉄道は昭和62年に廃線となり、つい最近、鉄道跡は「つくばりんりんロード」として生まれ変わりました。

2・3番線ホームへ渡る跨線橋の階段。

跨線橋突き当たりは、塞がれた通路
この通路を突き当たり、左に下りると水戸線2・3番線ホームですが、筑波鉄道営業時はこの通路が更に延び、筑波鉄道のホームへと続いていました。

水戸線岩瀬駅 2・3番線ホーム
この左手緑地部分に筑波鉄道のホームがありました。

岩瀬駅 駅名標
アクリルパネルの駅名標。

岩瀬駅の名所案内
筑波山や雨引観音、桜川のさくら、富谷観音の文字。筑波鉄道の文字は無いので、以降に作成された案内板なのでしょう。

岩瀬駅の改札
有人改札の作りになっていますが、簡易Suica端末が設置されています。

岩瀬駅 みどりの窓口ただ今駅員さんは不在です。

水戸線 岩瀬駅 駅舎
明治22年に開業した、茨城県内で最も古い路線の駅です。

関東ふれあいの道
「御嶽山から板東24番礼所へのみち」として設定されています。

筑波鉄道の文字
「関東ふれあいの道」のパネルには、今は無き“筑波鉄道”の表記があります。

水戸線 岩瀬駅 駅前道路
駅前ロータリーは狭く、国道50号への道もたいへん狭い。
岩瀬駅 筑波鉄道側跡地

筑波鉄道 岩瀬駅跡地
跡地は駐車場と公衆トイレ、自転車スタンド、ベンチなどが整備されています。

岩瀬土浦自転車道 の看板
つくばりんりんロードの正式の名称なんでしょうね。赤い線で自転車道を示しています。

ふさがれた跨線橋
あそこに見える、色違いの部分からさらに通路はこちら側に延び、筑波鉄道ホームへと続いていました。
つくばりんりんロード(岩瀬土浦自転車道) を岩瀬駅から眺める

筑波鉄道 岩瀬駅を出る
「ここから筑波鉄道は、筑波駅、土浦駅に向かったのか」と浸りながら、歩き始めます。。
最初は岩瀬駅周辺を撮影するだけのつもりでした。
が、気がつけば、つくばりんりんロードを歩き始めている自分がいました。ざっとみて岩瀬駅から筑波駅までは20km近くあります。フルマラソンは42.195kmです・・・。ハーフマラソンの距離です。。。

筑波鉄道_岩瀬駅
去年(2002年)の夏に筑波駅から土浦駅までを折りたたみ自転車で走破した時は、2時間程度かかりました。歩きだとその倍近くかしら??。まだ14時30分を過ぎたくらいですし、がんばれば日が落ちる前までに筑波駅に着くことができるでしょう。
筑波駅に到着すれば、土浦駅行きのバスがあると思われますし、とにかく行ってみるしかありません!?
筑波鉄道跡を歩く
雨引駅、東飯田駅、樺穂駅、真壁駅と通り過ぎていきます。かなりの距離です。最初はガンガン進んでいきましたので、これなら軽く筑波駅まで行けるなーなんて軽い気持ちでいました。ところが、途中から足は重くなってくるし日は落ちてくるし、人はまったくいないし、で、「やばいなー」って感じがしてきます・・・(;;)。

岩瀬駅を出てからの休憩所
遠くに筑波山。あそこの麓に、筑波駅があるはず。休憩設備がありました。

筑波鉄道の遺構
「8」とペイントされた、筑波鉄道時代の遺構。何だろう?勾配を知らせる物ではなさそうだし。。俺は鉄オタではないから、分からない。。
筑波鉄道 雨引駅

筑波鉄道_雨引駅

雨引(あまびき)駅 ホーム

雨引駅近くには、日新フーズの「手づくり天ぷら」のコンテナがあり、コスモ星丸の手描きのイラストが描かれています! これは科学万博の遺構です!!
筑波鉄道 東飯田駅

筑波鉄道_東飯田駅

東筑波ユートピアの看板
手描きの看板が昭和っぽい。「ポニーやロバとあそぼう!」と書かれています。

筑波鉄道 東飯田(ひがしいいだ)駅

東飯田駅前には商店がある
のどかな筑波平野の筑波鉄道東飯田駅前には、個人商店があります。
筑波鉄道 樺穂駅

筑波鉄道_樺穂駅

筑波鉄道 樺穂(かばほ)駅

樺穂駅近くには松本石材店
茨城県内、特にこの筑波山エリアは、石屋さんがたくさんあります。
筑波鉄道 真壁駅

筑波鉄道_真壁駅

筑波鉄道の遺構
遺構にロープが直接結ばれていたりして、扱いがけっこうずさんです。。

筑波鉄道 真壁(まかべ)駅
筑波鉄道の駅の中でも、比較的大きな駅構造のように感じられます。

真壁駅ホーム の桜の木
大正05年に当時の真壁駅長が植えた桜の木。昭和2,30年頃までは10数本ありました。太平洋戦争で送り出されたり、集団就職などで出発する様子などを見守った、思い出の詰まった桜の木。

比較的大きな公衆トイレがある

筑波鉄道の鉄橋
この鉄橋は、比較的最近に造られたような気がします。

筑波鉄道の線路跡
真壁駅を出てしばらく進むと、線路を埋めたような交差点があります。
筑波鉄道 常陸桃山駅

筑波鉄道_常陸桃山駅
常陸桃山駅にてバス停 桃山があり、ここでバスに乗って最寄り駅まで行くこともできました。しかし、ここで負けてはなりません(何に?)。前進あるのみです!!

バス停 桃山
筑波鉄道 常陸桃山駅跡には、バス停 桃山があります。このバス停から、土浦駅や真壁駅に行けそうです。

桃山バス停 時刻表
運行しているバスの数は、多くもないが少なくもない感じ。

筑波鉄道 常陸桃山(ひたちももやま)駅
常陸桃山-紫尾駅間の 変な自転車道

ゆらゆら自転車道
常陸桃山駅を出ると、左右にゆらゆらする自転車道が現れます。

こんどは、上下にうねうね自転車道
筑波鉄道の自転車道で、この区間だけが、こういう変な作りになっています。
筑波鉄道 紫尾駅

筑波鉄道_紫尾駅
紫尾駅を過ぎますと一旦、筑波鉄道跡は無くなってしまうのです。民家のある通りを歩きます。あたりはすっかり日が落ちて、普通に歩くのにも気を使います。

筑波鉄道 紫尾(しいお)駅

一般道に吸収されてしまう
つくばりんりんロードはここでいったん、一般道に吸収されてしまいます。

一般道路
民家の続く道路を歩きます。
筑波鉄道 筑波駅に着いた

筑波鉄道_筑波駅
いつの間にか民家の通りと筑波鉄道跡とが平行になっていたので、筑波鉄道跡に戻ります。すっかり真っ暗。暗闇の中を歩いていくと、明かりが見えてきました。筑波駅です!時刻は18時40分です。。

暗闇の中の筑波駅
う~、なんとか筑波駅にたどり着きました~(涙)。。
ここ、筑波駅から土浦駅に行くバスの出発時刻は19時30分。
汗をびっしょりかいたので、筑波駅のトイレにてTシャツを脱ぎます。着替えを持ってきていないので、素肌の上からカットシャツを着ます。ちょっと寒い。。

時刻は19寺50分
岩瀬駅から5時間かけて、筑波駅まで歩いてきました。。。

ばってんの時刻表
これは路線が廃止された、と言う意味ではなく、時刻表が更新される前の古い時刻表。ってことでしょ?

筑波駅 旧駅舎
まったくお客のいない、闇夜の筑波駅。。

土浦駅行きのバス
このバスに乗って土浦駅に帰ります。。
土浦駅に行くバス車内にて
19時30分を少し過ぎたところで、関東鉄道バスの事務所から運転手さんが出てきました。バスが出るようです。バスに乗り込み、土浦駅を目指します。

土浦駅に向かうバスの中
筑波駅から土浦駅に向かうまでの間、途中のバス停で2人乗車してきました。
土浦駅まで、バスは30分で着きました・・・。やっぱり車(バス)は早いな~(^^;)。880円を払い、土浦駅構内に入っていきます。

常磐線(筑波鉄道)_土浦駅
柏駅で一度降り、珍来にて餃子定食を食らいました。うまかった~。
今日は21kmも歩いてしまいましたー。徒歩で5時間でっせ!!
【 旅は無計画に 】
筑波鉄道は『常磐線土浦駅 – 筑波駅(筑波山口駅)- 水戸線岩瀬駅』を路線とした、地方ローカル線です。全長約40キロ。本文中にもありますと降り、昭和62年に廃線となり、線路跡は「つくばりんりんロード」として整備されています。
2002年の夏、この筑波鉄道の半分(筑波-土浦間)を折りたたみ自転車でを制覇していました。
この2003年の回では、「岩瀬-筑波間」を完歩しました。
なので、理屈上では“筑波鉄道を制覇”した事になります。
今回の「岩瀬-筑波間」21kmは当初、「岩瀬駅」を見にいくことが目的でした。しかしいきなり、無計画に歩き始めてしまい、結果的に歩き通してしまいました。頭で考えるのも好きですが、「まず体感してみる」。いつも「見るな、感じろ!」の精神を大事にしています(?)。
この当時(2003年)の水戸線 岩瀬駅は駅前ロータリーが狭く、国道50号に出る為の駅前通りも狭かったです。
2017年に岩瀬駅に訪問したら、駅前が区画整理で広くなっていました。
2017年05月の水戸線 岩瀬駅 駅前ロータリー 〔 #ぐるり茨城17 〕
2017年05月に自転車旅をした #岩瀬駅 駅前の画像です。 #ぐるり茨城17 – Spherical Image – RICOH THETA
このページは、2003年03月22日に取材した内容に基づき、2003年03月30日に書かれています。本文は当時の原稿を加筆修正している関係で、初出典時と写真や表現が異なる場合がございます。