勿来(なこそ)-大津港 ハイキング

勿来(なこそ)-大津港ハイキング

茨城県北茨城市(県北)/ 土浦市(県南
2002年02月09日(土)取材

来る勿れ(来るなかれ)――!?。
とんでもない駅。そう思いました。
常磐線茨城県を超えて福島県に入った一番最初にある勿来(なこそ)駅

一度は行かなければならない、そう思いました。

常磐線で北上する

朝、目が覚めると、時刻は7時。
3連休の初日にしては、なかなか良い時間に起きられました。
毎度3連休があると、新幹線などを使って遠出していましたが、今回はそういった計画は無し。

しかし、「旅人」である私にとって、連休中の早起きは、どこかに出かけたくなる「血」がうずいてきます。そこで思い出したのが、前出した勿来駅なのでした。
時刻は朝の9時半。勿来駅に向かうために家を出ました。最寄り駅から乗り換え、柏駅。各駅停車の常磐線に乗り、土浦駅水戸駅と北上していきます。
簡単に書いていますが、土浦まで1時間かかり、水戸駅まででさらに1時間もかかる、かなりの遠出ですー(悲)。

水戸駅までは昨年(2001年)来ていますので、特に驚くこともありません。この水戸駅より先は、私にとって、初めての土地になります。
水戸駅にて11両編成だった車両も、うしろ7両を切り離し、4両編成になります。
いよいよもって、“奥地”に入っていく気が高ぶります。
当初描いていた、水戸より先の常磐線沿線は、木々が生い茂る奥地を想像していました。
ところが、電車の中から見える風景は、右手に住宅地、左手遠くに山々と、いたって私の知っている常磐線の風景、そのものでした。ちょっとがっかり。

 

来るなかれ、勿来駅

水戸駅からさらに1時間。目的地の勿来駅に到着しました!。ここ、勿来駅福島県なんですねー。特急フレッシュひたち号も止まる駅のようですし、それなりの規模の駅と考えてよろしいのでしょう。

【常磐線 勿来(なこそ)駅】<br> 来る勿れ(くるなかれ)、と言われて、行かないわけにはいきません!

【常磐線 勿来(なこそ)駅】
 来る勿れ(くるなかれ)、と言われて、行かないわけにはいきません!

【進行方向を眺める】<br>地方の駅ですが、ホームに屋根があったりしてよい感じ。立派な駅です。

【進行方向を眺める】
地方の駅ですが、ホームに屋根があったりしてよい感じ。立派な駅です。

電車を何名の方が降りていきます。私も片道3時間の疲れを背負いつつ、駅ホームに降り立ちます。

【いわき市勿来観光協会設置の看板】<br>「吹く風を 勿来の関と思へども 道もせに散る 山櫻かな」。観光協会が設置した看板?です。

【いわき市勿来観光協会設置の看板】
「吹く風を 勿来の関と思へども 道もせに散る 山櫻かな」。観光協会が設置した看板?です。

 

【勿来駅 改札】  まだSuica(スイカ)に対応していない改札です。昔チック♪。

【勿来駅 改札】
 まだSuica(スイカ)に対応していない改札です。昔チック♪。

強く冷たい風が吹き荒れます。

その中を、写真撮影していきます。

 

 

【常磐線 勿来駅 駅舎】<br>日本家屋をイメージした駅舎。木造では無く、当然、鉄筋コンクリート作りでしょう。

【常磐線 勿来駅 駅舎】
日本家屋をイメージした駅舎。木造では無く、当然、鉄筋コンクリート作りでしょう。

【国道6号】<br>勿来駅前は、国道6号があり、車の交通も激しいです。

【国道6号】
勿来駅前は、国道6号があり、車の交通も激しいです。

駅前に出ますと、ちょっとしたロータリーと、駅前旅館があります。しかし、何よりもびっくりなのが、駅前を流れる国道6号線です。

大量の車が通り、車社会を印象付けます。

期待していたほど、“奥地”ではないんですねー、勿来駅

ここまで来るときに、太平洋が見えていましたので、も近いのでしょう。太平洋でも観ていきますか。

 

勿来の海

【浜屋】<br>日本そばのお店。きれいな店内と、リーズナブルなお値段も良い感じ。

【浜屋】
日本そばのお店。きれいな店内と、リーズナブルなお値段も良い感じ。

その前に、腹ごしらえを。
時刻は14時を回っています。朝食を食べたっきり、何も食べていなかったので、国道6号水戸方面に歩いてみました。すると、見た目が美味しそうな蕎麦屋を発見。他にお店もなさそうですし、ここで食事をしていきましょう。

店内はきれいですが、時間も時間。お客さんが家族連れ1組だけで、他に誰もいません。さらに、私が食事をする前には店を出てしまいまして、結局私一人しかお客さんが居なくなってしまいました。さびしぃ~(悲)。

注文はえび天ぷらそば
私の好きな関東風のしょっぱめのつゆと、もっちりとしたそば。えびもそれなりのものでした。850円。値段も良い感じですね。

腹ごしらえも済みましたし、海を見に行きましょう!

【国道の裏道】<br>国道6号のひとつ裏側の道。民家も多く、穏やかな時間が流れます。

【国道の裏道】
国道6号のひとつ裏側の道。民家も多く、穏やかな時間が流れます。

【視界が開ける】<br>私道とも思える道を通り抜けると、視界の先には青い海が!

【視界が開ける】
私道とも思える道を通り抜けると、視界の先には青い海が!

海の方面に向かって歩きます。ところが、海に沿うような感じで道はありますが、海に向かう方向の道が見つかりません。
住宅地の細い道を通り、やっとのことで海に出ることができました!(笑)。
髪の毛がボサボサになるほどの強い風。
当然、泳いでいる人もいないですし、サーフィンをしている人もいません。って言うか、「立ち入り禁止」になっています(笑)。

【勿来海岸】<br>夏場は海水浴者でにぎわうのでしょうが、今は冬。誰もいません。

【勿来海岸】
夏場は海水浴者でにぎわうのでしょうが、今は冬。誰もいません。

【海に流れ込む水】<br>右の施設から水が海に流れています。生活排水を浄化させたものが流れているのでしょう。

【海に流れ込む水】
右の施設から水が海に流れています。生活排水を浄化させたものが流れているのでしょう。

【クリアーな海水】<br>海水は透き通っていて、夏場だったら飛び込みたい気分です♪

【クリアーな海水】
海水は透き通っていて、夏場だったら飛び込みたい気分です♪

【地平線】<br>広大な海が広がります。

【地平線】
広大な海が広がります。

 

勿来駅に戻る

海を堪能しましたし、勿来駅に戻りました。

上りの電車で隣の大津港駅に行くことにします。待合室で次の電車を待っていますと、目に留まったのが、JRが企画している「駅からハイキング」の案内板。どうやら勿来駅から、今行こうとしている大津港駅までを歩く、ハイキングらしいのです。
時間もまだありますし、ここはひとつ歩きますか(笑)。

【勿来駅前の石碑】<br>真ん中の黒い石碑には、「石炭輸送によって鉄道ができた」みたいなことが書かれています。

【勿来駅前の石碑】
真ん中の黒い石碑には、「石炭輸送によって鉄道ができた」みたいなことが書かれています。

【石碑が見える】<br>案内の看板があるのですが、倒れていて確認できず。

【石碑が見える】
案内の看板があるのですが、倒れていて確認できず。

 

 

駅からハイキング 勿来駅→大津港駅

ハイキングコースは、勿来駅鉄橋を渡り、住宅地を歩くところから始まります。住宅地から段々と、写真のような山道になっていきます。
連休初日なのに、このイベントに参加しているのは、どうやら私だけ?。だれひとりハイキンガーが居ないんですけど(笑)。そうは言っても、私自身、このハイキングが目的で、勿来に来たわけじゃないんですけどね(笑)。

【ハイキングコース】<br>ここから先、道の傾斜がきつくなっていきます。人の気配がしませんー(涙)。

【ハイキングコース】
ここから先、道の傾斜がきつくなっていきます。人の気配がしませんー(涙)。

 

「勿来の関」という観光名所がありまして、そこまでに行く道のりが非常に険しい坂道。たまに車が横を通り過ぎていきます。

【傾斜と木漏れ日】<br>とにかく傾斜が続くので、身軽な装備では厳しいかもしれません。

【傾斜と木漏れ日】
とにかく傾斜が続くので、身軽な装備では厳しいかもしれません。

【源頼家の像】<br>長い長い傾斜を登ると、源頼家の像があります。

【源頼家の像】
長い長い傾斜を登ると、源頼家の像があります。

 

勿来の関に到着。
この土地の中に入っていきますと、歌を詠んだ石がいくつも並びます。何人の観光客がここには居ました。それでもさびしい感じのする名所ですな。

 【勿来の関】<br>「来る勿れ」について書かれている石。しかし、この石が設置されたのは昭和61年と、最近です。


【勿来の関】
「来る勿れ」について書かれている石。しかし、この石が設置されたのは昭和61年と、最近です。

さらに進んでいきますと、「いわき市勿来関文学歴史館」という建物があります。が、入場料がかかるらしく、さらに私自身の所要時間の問題もあり、観ることなく通過します。
本当は観ていきたかったんですけどねー。なにせ日帰りの旅ですし、電車の本数などもちょっと心配だったので、先を急ぐのです。

【いわき市勿来関文学歴史館】<BR>残念ながら時間がなく、目の前を通るだけになってしまいました。

【いわき市勿来関文学歴史館】
残念ながら時間がなく、目の前を通るだけになってしまいました。

【関桜亭】<br>歴史館駐車場に設置されているおみやげ屋さん。

【関桜亭】
歴史館駐車場に設置されているおみやげ屋さん。

【休業中の天望荘】<br>休業中の旅館。やはり“眺め”だけでは商売にならないんでしょうね…。

【休業中の天望荘】
休業中の旅館。やはり“眺め”だけでは商売にならないんでしょうね…。

歴史館駐車場を抜け、少し歩くと写真のような旅館を発見しました。その名も「天望荘」。眺めの良い土地に開業したのでしょうけれど、入り口を見たら「休業中」の張り紙。中も荒れていましたので、再開することは二度とないでしょう。

近くに展望台に続く道がありましたが、手入れされていなく、草木も荒れていて、眺めがよろしくありませんでした。

 【天望荘 玄関】<br>玄関には「休業中」と書かれた紙だけが貼られています。


【天望荘 玄関】
玄関には「休業中」と書かれた紙だけが貼られています。

【展望台への道】<br>天望荘から続く展望台への道は荒れ放題でした。

【展望台への道】
天望荘から続く展望台への道は荒れ放題でした。

【閉鎖された駐車場】<br>海水浴客相手の駐車場の模様。冬は閉鎖で当たり前。

【閉鎖された駐車場】
海水浴客相手の駐車場の模様。冬は閉鎖で当たり前。

天望荘を超えたあたりから、下り道になります。
大きな駐車場がありまして、入り口に鎖を張られていまして、「ああ、ここもか・・・」などと感慨にふけていましたら、どうやらここは違う様子。
近くが勿来の海岸でして、泳ぎに来た客相手の駐車場のようです。海水浴用の駐車場なら、冬が閉鎖されていても仕方が無いですよね。

この駐車場を超えると、やっと国道6号に戻ることができます。ここまででハイキングコースは半分。

【勿来関の門】<br>モニュメント的な意味合いの強い、黒御影?の門。

【勿来関の門】
モニュメント的な意味合いの強い、黒御影?の門。

【民家前にある石碑】<br>小さな石碑ですが、こういうのに限って重要だったりします。

【民家前にある石碑】
小さな石碑ですが、こういうのに限って重要だったりします。

【夕暮れの海】<br>国道をトンネルでくぐると、再び目の前に海が広がります。

【夕暮れの海】
国道をトンネルでくぐると、再び目の前に海が広がります。

本当のハイキングコース民宿街方面に続くようですが、コース通りに歩くと、かなり時間がかかりそうなので、国道6号を歩いていくことにします。車の交通が激しく、ハイキング気分は抜けてしまいます。しかし、民宿街は国道沿いから見ることはできますし、海も見えるので、これはこれで良いのかも。

民宿街も夏場が書き入れ時なのでしょう。どの民宿カーテンが閉められていたり、雨戸が閉められていたりして、物悲しい雰囲気です。

【左手に民宿がたくさん】<br>ハイキングコースでない、国道沿いを歩きます。交通量がすごいです。

【左手に民宿がたくさん】
ハイキングコースでない、国道沿いを歩きます。交通量がすごいです。

【平潟トンネル】<br> トンネルは良いのですが、人が通ることを想定していない道幅です・・・

【平潟トンネル】
 トンネルは良いのですが、人が通ることを想定していない道幅です・・・

【魚市場】<br>お土産に魚介類を買っていこうとしましたが、つらい過去があるので…。

【魚市場】
お土産に魚介類を買っていこうとしましたが、つらい過去があるので…。

国道6号をさらに歩いていきます。

魚市場がありますねー。何かとかでも買っていこうかしら?、一瞬そういう思いがよぎりましたが、止めました。

と言うのは、今年(2002年)の1月に行なった「新潟旅行」がすべてです。新潟旅行をお土産に買って、水漏れやら、氷の詰め替えやらで、とんでもない旅行になった過去があるからです・・・。もう、あんな面倒なことは起こしたくありません(笑)。

【案内板】<br> 右手に“大津港駅”。日が暮れる前にたどり着きたい。。

【案内板】
 右手に“大津港駅”。日が暮れる前にたどり着きたい。。

【なぞの石碑】<br>ローソンの駐車場には、石碑が残されています。

【なぞの石碑】
ローソンの駐車場には、石碑が残されています。

 

常磐線 大津港に到着

駅前に行く道を曲がり、大津港駅を目指します。
やはりここ大津港駅前も、駅前ロータリーがあり、バスの停留所も3つあります。タクシーも客待ちをしていますので、それなりの規模の駅なのでしょう。駅前にはセブンイレブンもあります。

【常磐線 大津港駅】<br>大津港駅前には大きなバスロータリーがあって、それなりに開発された駅前でした。

【常磐線 大津港駅】
大津港駅前には大きなバスロータリーがあって、それなりに開発された駅前でした。

【レンガ造りの建物】<br>「平和タクシー駐車場」の看板を見つけるも、用途は不明。

【レンガ造りの建物】
「平和タクシー駐車場」の看板を見つけるも、用途は不明。

【大津港駅前の小池と石碑】<br>駅前の広さに比べ、こじんまりとした庭園?がちょっと不釣合い。

【大津港駅前の小池と石碑】
駅前の広さに比べ、こじんまりとした庭園?がちょっと不釣合い。

 

常磐線 大津港駅から帰る

時刻は17時。すっかり日も暮れてきました。
次の上り常磐線は17時11分。やはりハイキングの最中で、ルートをショートカットしてきて正解でした。この電車を逃すと、次の上り土浦方面に行く電車1時間半も先になってしまいますからね!

【大津港駅ホーム】<br>大津港駅で上り常磐線に乗り込むのは5人程度。車内はまずまずの人の入り。

【大津港駅ホーム】
大津港駅で上り常磐線に乗り込むのは5人程度。車内はまずまずの人の入り。

電車が大津港駅に入ってきます。

この大津港駅から乗り込むのは、ほんの5人程度。電車内はちらほらではありますが、乗っている人がいます。ここからまた3時間もの電車となります・・・(げんなり)。まだ日は明るかったものの、疲れからかウトウトと眠ってしまいました。

途中、水戸駅友部駅などで目が覚めましたが、睡眠。

 

常磐線 土浦駅で下車

土浦駅に到着するので、降りることにしました。
土浦駅夕食をとることに。
桜町にある「洋食 大かわ」(茨城県土浦市)で、ハンバーグを食べたかったのです。あるホームページの掲示板で、美味しいとうわさのあるお店です。いつも食事はチェーン店で食べてしまいますから、たまには土地のお店で食事を。

【洋食 大かわ】<br>デミグラスソースを使った料理がオススメとか。ハンバーグを食べました。

【洋食 大かわ】
デミグラスソースを使った料理がオススメとか。ハンバーグを食べました。

時間も遅いためか、お客さんがまったくいませんでした。が、それはこのお店だけに始まったことではなく、土浦全体がそうなのです。ここはどっしりと「ハンバーグ(目玉焼き付)+ごはん(みそ汁付)」を食します。
デミグラスソース手作りハンバーグにマッチして、なかなかのお味。また食べたくなる、そんな庶民的な料理でした。

その後、筑波鉄道の跡地をちょっと調べ、線路跡を歩きます。
あまり知識も無く線路跡を探してみましたが、意外と簡単に見つけることができました。ゆるいカーブを描いて、新川沿いに出ます。
今日は時間も遅いので、ここまでにしますが、近い将来、筑波鉄道跡を調査する日が来ることでしょう。

土浦駅に戻り、常磐線に乗り込みました。ボックス席でした

 


Re:ぶらり茨城(2018年10月01日記載)

【常磐線で水戸から更に北上したのは初めてだった】

この頃は仕事で出張することが増え、名古屋、大阪など遠出をする楽しさに目覚めた時でした。何かの記事で読んだ、「来る勿れ(来るなかれ)」のキーワードにビビッと来て、福島県の勿来駅まで遠征した、と言うのがコンセプトでした。
なので、勿来駅に着いた時点で目的は達成していたのですが、JRが企画する「駅からハイキング」につられ、勿来の関に行ったり、大津港まで歩いた、と言うのは、その場で思いついた企画でした。

このページについて

このページは、2002年02月09日に取材した内容に基づき、2002年10月30日に書かれています。本文は当時の原稿を加筆修正している関係で、初出典時と写真や表現が異なる場合がございます。