常磐線旧トンネル『金山トンネル』と東日本大震災
先日令和03年(2021年)02月13日23時08分ころに発生した地震の影響で、東北新幹線は一部区間が不通となってしまいました。東北新幹線の復旧には一週間程度掛る見込み。
しかし、受験生が受験のため仙台から都心に出なければならず、昨年全線復旧した常磐線「ひたち22号」(上り / いわき駅→品川駅)を、始発仙台駅→(いわき駅)→品川駅に変更して対応した。と言うニュースが流れました。
本来の区間:いわき駅→品川駅
↓ 運行区間を延長
変更後の区間:仙台駅→(いわき駅)→品川駅
(実際は、上野駅止まりになった)
本来であれば、試験をする大学側が試験日の変更・順延などで対応できるのが良かったのかもしれませんが、常磐線側の対応が美談となったのは良いニュースでした。
東日本大震災で常磐線は寸断されてしまった
さて、常磐線が不通となってしまった元々の要員は、今から10年前、2011年03月11日に発生した「東日本大震災」です。東日本大震災により、津波被害、福島第一原子力発電所での事故が「常磐線が不通」となった原因になります。
常磐線は昨年令和02年(2020)に全線復活しました。しかし今なお、福島第一原発の事故による影響で「帰還困難区域」があり、立ち入りに制限があります。
常磐線の廃トンネル
常磐線の福島県内側には、多くの廃線跡、廃トンネルがあります
常磐線の歴史は古く、常磐線は明治時代に開業した路線です。当時は、機関車(SL)による牽引で、荷物や人(客車)を引いていました。
時代の流れで機関車が電車に置き換わるとき、電力を供給するための「架線」を敷く必要があります。トンネルが短い区間であれば架線を敷かず、惰性でトンネルを通過することができるのですが、トンネルの区間が長いと惰性で通過はできません。
架線を敷くためには機関車で運行していたときよりも、トンネルの天井高さが必要になります。トンネルを拡張する選択肢のほかに、「新しく電化用のトンネルを掘る」選択肢がありました。新しくトンネルが掘られた場合、旧トンネル側は「廃棄」されます。
- トンネルを拡張する
- 広いトンネルを新しく掘る → 古いトンネルは破棄する
その廃棄されたトンネルが、常磐線には数多く残っているのです。
その廃棄された廃トンネルの中で、常磐線を象徴するのが、JR竜田駅-富岡駅間に存在する『金山トンネル』です。
明治31年05月11日開通 全長 1654.76m
竜田駅側の旧トンネル入口が特徴的で、煉瓦積みされたトンネルの頂上部には「日本鉄道の社紋」機関車の『動輪のマーク』が残ります。
旧 金山トンネルは 富岡駅側の方が標高が低い
また、竜田駅の反対側である、「富岡駅側の旧トンネル口」は竜田駅側と比較して、標高が約1メートルほど低いそうです。
過去に、どなたかが「旧金山トンネル」を完歩されました。その際、竜田駅側から入り、富岡駅側に出る頃には、トンネル内に貯まった水が胸元まであった、とレポートされていました。富岡駅側のトンネル出入り口は水はけが悪く、公式情報でも「湿地帯である」旨を確認しています。
さらに言うならば、福島第一原発の放射能汚染が除去されていないでしょう。
旧金山トンネルは廃棄されたトンネルのため、放射能汚染を積極的に除去する理由もなく、今度も放置されると考えられます。貯まった水に放射能汚染が蓄積されることを考えると、「旧金山トンネル 富岡駅側」は二度とアクセスすることができないであろうと、見ております。
2015年(平成27年) 金山トンネル 訪問
2015年の時点では、常磐線の終点(水戸、上野方面)は竜田駅でした。
这是“旧”金山隧道。日本的铁路从火车变更电车的时候,因为这个旧隧道口径很窄,所以国铁公司做新隧道。
これは「旧」金山トンネルです。鉄道が機関車から電車に変わった時、この旧トンネルは狭く、国鉄は新しいトンネルを作りました。#常磐線 pic.twitter.com/Z07WS1sxeh— 中国語と日本語でつぶやきます (@tabi_koujin) May 5, 2015
アクセス:常磐線 金山トンネル(竜田駅側)
常磐線 金山トンネル(竜田駅側)
※便宜上、アクセス的な図を示しましたが、このルートで金山トンネル(竜田駅側)に訪問したことはありません。また該当する敷地は、JRの管理敷地であったり、私有地である可能性があります。ここ数年、コンプアライアンスが非常に厳守される世の中になっております。本文中にもある通り、該当区域が原発事故のその後の処理から外れている可能性もあります。倫理的、法律的、健康面においてご理解のほど、お願いいたします。
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〔 この項おしまい 〕