茨城県北茨城市の平潟港。平潟港は茨城県の最も北にある漁港です。
平潟港に出て、向かって左側(西側)は、茨城百景 包括風景にも指定された、断崖絶壁の上に八幡神社が建ち、右側(東側)には少し小高い丘(山)の上にボロボロな薬師堂があります。
平潟港の津波被害状況を教えてくれたモリモアさん
2011年03月11日に発生した東日本大震災の際、津波が発生しました。八幡神社の断崖絶壁の岩場と、薬師如来堂がある岩場が平潟港を包む混むようにあったおかげで、津波の威力は軽減し、津波による被害は比較的少なかったようです。(モリモアさん談)
そういった地形の利もあり、普段から平潟港の湾内は穏やかで、漁船の停泊にも適しており、漁業のほか、釣り人達の穴場にもなっているようです。
2005年08月11日の薬師如来堂
薬師如来堂に初めて訪問したのは、2005年08月のことでした。
この時からすでに如来堂は縁側の板などが破損しており、如来堂の存続が危ぶまれていました。
東日本大震災記録碑と薬師如来堂
震災後に訪問した際は、如来堂入口近くに「東日本大震災記録碑」が建ち、震災の際に発生した津波の高さ(津波到達点 6.7m)が記録されました。津波の高さは「6.7m」と計測、記録されています。この津波の高さ、薬師如来堂がある岩場の高さの、ちょっと下くらいの位置です。ぎりぎり津波が薬師如来堂を濡らしません。
1000年に一度とも言われる、東日本大震災の被害。もしかしたら過去にも同様の地震があり、津波が発生したかもしれません。その時に発生した津波の高さがやはりこの位置で、薬師如来堂の高さは意味があるように感じられます。
東日本の各地に、「津波ここまで」という趣旨の言葉が書かれた碑があちらこちらにあります。ここ平潟港は、薬師如来堂の建つ高さが、過去の津波の被害を記録しているのかもしれません。