茨城県県南の中心地である、土浦市。
ここ近年、土浦駅前からは大手のデパートが次々と営業を終了し、商業圏として苦悩の時代を迎えています。
その土浦で、歴史に根ざすのが『土浦八坂神社神輿巡幸』です。
祇園祭には「八坂神社」と「鹿島神社」など、どの神社に対してのお祭りなのかが異なります。
ここ土浦は、京都の「八坂神社」なのですね。
今年もやってきました、土浦の祇園祭。
今日(2004)07月24日は、礎会による「土浦八坂神社神輿巡幸」と銘打って、山車やら神輿やらで土浦が大変賑わうのです。
去年(2003)も土浦祇園祭には来ましたし、今年も早い段階からこの土浦祇園祭に訪問することが決まっていたので、当日を迎えウキウキ気分なのです(*^^*)。
お昼の12時前に家を出て、最寄り駅に向かいます。
いやー、今日も暑いですな~(@@)。
柏駅で下り常磐線に乗り換えます。
キオスクで飲み物を購入し、土浦駅方面下り電車のホーム先頭で待っていますと、白電が入線して来ました。もちろん、ボックス席を一人で陣取り、旅気分です♪ 昼過ぎの時間帯で、常磐線下り電車だと非常に空いていて好きな場所を確保できるのが良いですね~。
取手駅で左手に、関東鉄道のディーゼル車が出発を待っているのを撮影。そういえば先週の同じとき、水海道の祇園祭( 水海道祇園祭 )に行くために、あの車両に乗ったんですね~(==)。なんか、遠い昔の出来事のようにも思えます。。
まもなく13時50分になろうとしています。
下り常磐線左手の車窓からは、JRバスの停留所が見えて、桜川を越えると土浦駅です。
この車両、土浦駅が終点扱いだったためか、いつもの1番線に入らずに3番線に入ったのが、少し新鮮です(^^;)。
土浦駅駅舎を出ると早速山車に遭遇
土浦駅の改札を抜け、土浦駅西口に出ます。
日差しが一段と照りつけます(@@;)フー。
耳をすませば、左手からお囃子が聞こえてきました。桜町の方角です。目を凝らすと、桜町の細い道から、山車がゆっくりとこちらに向かってきています(^^)。
駅の階段を降り、山車に向かって軽く走ります。
山車は桜町一丁目のものでした。先頭には獅子がいて、くねくねと踊りを披露しています。
笛の合図とともに、子供や大人たちが綱(「曳き綱」と言うそうです)を引き、山車を引っ張ります。 桜町の細い道から出てきた山車はお囃子を奏でながら、土浦駅前に出てきました。心なしかお囃子にエコーがかかっているような感じがします(^^;)。
※「祭」と書かれたうちわをもらいました。
かつて土浦の経済を支えた建物たち
旧・丸井土浦店の前を通り、中央通商店街のほうに歩いていきます。
右手に旧・東武ホテルを眺め歩いていくと、左手に大きな駐車場が現れました。ここが、今春(2004春)に解体された、小網屋の跡地の駐車場です。
老舗の建物が解体されるのは悲しいです。しかし、小網屋に限っては、解体されたことで日が差し込むようになり、この辺り一帯が明るくなってよかったな~と思うのは私だけではないはず(^^;)。
高架橋下に御仮屋
高架橋下には、今年も御仮殿が組まれています。
礎会の提灯がくくりつけられた神輿もスタンバイしています。
御仮屋の左手には、「江戸囃子 将門囃子杜中」の山車がお囃子を演奏しています。特に見学人がいるわけではありません。しかし、もともとお祭りというのは神を奉るために行なう行事であり、人に見せるための祭りというのは、もっと後になってからの風習だそうです。それを考えると、見学人がいようがいまいが、こうしてお囃子を奏でているのは、正しいお祭りのあり方なのかもしれません(--)。
中央通商店街を歩く
中央通商店街を亀城公園のほうに向かって歩きます。
土曜日だというのに、中央通商店街は相変わらず人手がまばらです。そろそろここも区画整理のレベルでいろいろと考えてもいいのかもしれないですね~(--)。私としては、ここの区域はずーっと商業地域であって欲しいのですが・・・。
「中央二丁目」の山車
バス停桜橋を歩き、UFJ銀行のところで山車がにぎやかにしているのを発見!(^^)。駆け足で近寄ります。商店街の一本裏手の細い道に、山車が入っていくところです。ちょうど目にしたのは、中央二丁目の山車ですね(^^)。“お花”(お金/奉納金)を下さったスポンサーにお礼の踊りを披露しています。
近くにいらっしゃった方に伺うと、このお囃子は「石岡囃子」と言うそうです。
「文京町」の山車
続いて現れたのは、文京町の山車です。
先頭に獅子がいます(^^)。
「生田町」の山車
その次は生田町の山車です。
小さいひょっとこが一生懸命踊っているのが、可愛らしい(^^)。
「千束町」の山車
続いては、千束町の山車。
やはり子供のひょっとこが踊っています。
「田中一丁目」の山車
その次は、田中一丁目の山車です。
おかめの踊りの競演
映画館、土浦セントラルシネマのところで待ち伏せをします。山車はすべてこちらのほうに進んでくるからです。
山車は“お花”をいただいたところ、ひとつひとつで停車し、踊りを披露します。ちょうど目の前に来た千束町の山車は、おかめが踊りを披露しています。
私は山車の踊りの中でも、おかめの踊りが一番好きです(*^^*)。
ちょうどこのタイミングで、どの山車もおかめの出番のようです。千束町、田中一丁目、田中二丁目とおかめが続きます。中でも、田中二丁目のおかめは踊る前と踊り終わった後にお辞儀をするのが好感触です(*^^*)。
遅い昼食で後半戦を乗り切る
時刻は16時近く。
まだ昼食を食べていなかったので、びっくりラーメンにてラーメン餃子セットにトッピングでキムチをいただきます。
暑いのでコンビニでスポーツドリンクを購入します。本日2本目です(@@)。
モール505 沿いで山車を迎える
ドリンク休憩を終え、続いて待ち伏せをしたのが、モール505沿いの道。
文京町、生田町、千束町、田中一丁目、田中二丁目と通り過ぎていきます。
礎會(いしずえかい)
まもなく礎会の神輿が始まる17時10分頃です。
礎会のメンバーは、高架下に集合することになっています。急がねば!
神輿巡幸
しばらくして、礎会による八坂の神輿が担ぎ出されます。
2番手には女神輿、3番手には茨城神輿連合が続きます。
旧・土浦東武ホテルの裏の道に神輿たちは入っていきます。
旧・西友土浦店のところで休憩に入ります。
先頭では礎会による、お花をいただいた店舗への“恒例の一本締め”を行なっています。
※お花・・・特に金額は決まっておらず、ピンきり。千円のところもあれば、1万円のところもあり、あくまでも善意によるもの。
神輿、山車は土浦駅前のイトーヨーカドーのウララ広場のところに集まります。
早く到着している山車たちは、お囃子を奏でて祭りの雰囲気を高めています。
19時15分過ぎ、いよいよ礎會による神輿がウララ広場に入ってきます。
中川土浦市長などの挨拶の後、神輿、山車、屋台による競演が始まります。ここで祭りは一気に盛り上がります。
山車や神輿がウララ広場を後にする
そして時間が来ると、山車が一基一基と広場を後にします。
ウララの裏側にある、桜町商店街の細い道を、山車たちが入っていきます。こんな細い道によく入っていきますね~、と感心します(^^;)。意外とぶつかることなく、山車はゆっくりと商店街を進んでいきます。ところどころでお店からお花をもらい、それに対し山車が御礼を行ないます。
ゆっくりとゆっくりと山車が土浦の街中を進んでいきます。
いつまでも終わりそうも無いくらい、熱気に包まれています。
これが土浦。これが茨城。
安心して土浦駅に戻ることができます。
Tシャツもタオルも汗でびっしょりです。
しかし心の中は、すっきりとした印象で、さわやかでした。
興奮冷めやらぬなか、帰宅のため常磐線に乗り込みました。
《 この項、おしまい 》
【 茨城の祭り、土浦の祭りを体感できた旅でした 】
この2004年に訪問した土浦の祇園祭では、礎会を追うことにより土浦の祭りの基本を知ることができました。これまでは漠然とお祭りを眺めているような感覚でしたが、会社や個人が「お花(奉納金)」を納め、そこに一本締めや山車(幌獅子)の踊りがお返しとして披露される、など、あらすじを知ることができました。
【 土浦駅前に図書館を持ってくる計画 】
本作品中で、「旧・丸井土浦店」を少しだけ取り上げています。
その中で、「図書館が入る」という噂が、この2004年当時からありました。結果的に、土浦駅の図書館は、2017年に完成した土浦駅前再開発ビル「アルカス土浦」内に移転することで終息しました。
土浦の図書館が駅前に移転してくる構想は、噂(2004)から数えて少なくとも13年の月日が掛かってしまったのですね。
このページは、2004年07月24日に取材した内容に基づき、2004年11月10日に書かれています。本文は当時の原稿を加筆修正している関係で、初出典時と写真や表現が異なる場合がございます。