茨城空港(IBARAKI AIRPORT )を「東京北空港」と呼んでもいいですか?
橋本昌 県知事時代〔任期:平成05年(1993)-平成29年(2017)〕に完成した「茨城空港(IBARAKI AIRPORT / IBR )」〔茨城県小美玉市与沢〕。
茨城空港の使用率は全国レベルでおおよそ真ん中くらいの利用率です。地方空港の利用され具合としては、それほど悲観することはありません。ただ、(俺を含む)茨城県民が納得できないのは、何の根拠か分からない「魅力度ランキング」で茨城県が毎年最下位という屈辱が、茨城県を焦らせます。
茨城空港をもっとアピールしたい。好印象を与えたい。
そんな思い(想い)が、「茨城空港を『東京北空港』に名称変更する」というアイデアにまで発展してしまいました。
東京じゃないのに、『東京』って言う事例
茨城県に所在する茨城空港なのに、「東京」って言っちゃっていいの?と思いますが、このような事例は割と多くあります。
東京ディスニーランド
東京都に在していないに、ディズニーランドは
・東京ディズニーランド
・東京ディズニーワールド
・東京ディズニーシー
と「東京」をアピールしています。
奇しくも東京ディズニーランドは、茨城県民の誇りである、『科学万博-つくば’85(国際技術博覧会 / EXPO85 )』開催の年と同じ、昭和60年(1985)にオープンしています。
新東京国際空港
また、「成田空港(成田国際空港株式会社)」は以前、名称が「新東京国際空港」だったのは記憶に新しい。
「東京“北”」の「北」って何ですか?
JRを利用すると車両の扉上に貼られている「JR路線図」。
茨城方面に延びる常磐線は、横一本で表現されています。
東京駅、上野駅方面から土浦駅、水戸駅まで横線(路線)が引かれています。よって、「茨城県って、横、東側にあるんじゃ無いのか?」って印象があり、思いがちです。
下記、GoogolrMapで、東京都と茨城県の対置位置を俯瞰でご確認ください。
俯瞰でご覧いただくと分かるのですが、茨城県って、東京都(新宿、秋葉原)方面から見て、“東北”方面にあるんですよね。決して右側=東方面では無い。
東京都から見て”東北(=北側)”にある、だから、『東京北空港』と言いたいのですね。
飛行機は速く移動するための手段
公共交通機関で移動速度が最も早いのが、飛行機。次いで、新幹線(特急)、と言ったところでしょうか。
茨城空港(東京北空港)から阪神地区まで移動する。を検体として見てみましょう。
令和の現在、東京駅から大阪(新大阪駅)までなら、新幹線のぞみで2時間30分、14000円(自由席)で行けるのか。このくらいの時間、距離感なら、飛行機よりも新幹線を選択する人が多いでしょう。
新幹線で移動する
かかる時間:2時間30分
料金:14000円(自由席)
かかる時間:1時間10分 + 1時間
料金:8000円くらい(予約購入時期等によって、大きく異なる)
茨城空港を利用して、飛行機で移動する
茨城空港は所在地が小美玉市です。(どこ?)
あそこに行くまでに、まあまあ時間を要します。
茨城空港の近くに住んでいるなら、歩いてでも行けるでしょうけれど、今回は出発地を『東京(東京駅)』としているので、東京駅から茨城空港まで移動しなければなりません。
東京駅から茨城空港にアクセスする最適な方法は、乗り換えがない空港バス(高速バス)でしょうか。バスの時刻表(ダイヤ)を確認すると、所要時間は2時間くらいです。
過去の俺の経験から、高速バスは予定刻よりも早く最終到着地に着くことが多いです。
もし、東京駅から茨城空港に着くのに高速バスで2時間かかるとして、新幹線で東京駅から新大阪駅、新神戸駅着で3時間くらい?で到着できます。
そう考えると、わざわざ東京駅から離れて、茨城空港に行くリスクは取りたくないですね。。。俺みたいな高速バスマニアだったらバスに乗って茨城空港に行くのは楽しいかもしれないけど、仕事で阪神方面に行くのに、行程(=高速バスに乗る、ということ)を増やしたくは無い。。。
羽田空港 国内線を利用しての移動なら
羽田空港から国内線で大阪神戸(阪神)方面だと、伊丹空港 ITM、神戸空港 UKB、関西国際空港(関空)KIX あたりに下りるんでしょうかね。私の知っている飛行機好きのおJAL(おじゃる)のサクラプラチナユーザーは、大阪辺りに向かうときでも新幹線を使わず、飛行機を使う変な人です。
かかる時間:1時間(搭乗時間)+1時間(チェックイン+荷物受取)
料金:27000円
茨城空港の「東京北空港」は国内では無く、海外を見ていた
国内移動:●茨城空港 VS 羽田空港○
このように比較して見ていくと、国内移動の場合、茨城空港は都市部の羽田空港に所要時間に勝ち目が無い。
国内移動:●茨城空港 VS 成田空港
お隣の成田空港(最近は成田国際空港でも、国内便を運行しています)と競争した場合、成田は「スカイライナー」や「成田スカイアクセス線」があり、なんだか早く成田空港に到着できそうで印象が良い気がします。
茨城空港ヘいちばん早く到着できる手段は、高速バス。高速バスは、ちょっと遅そう(=飛行機に乗り遅れそう)で心象がよろしくない。
茨城空港の存在意義を「国際線ユーザー」に見いだす
そう考えると、「茨城空港を利用するユーザー」のイメージは「国内線」利用者よりも、1,2時間くらいの移動時間がペイできる、搭乗時間が長い「国際線ユーザー」の利用者になるのでしょう。
海外から見た、「茨城空港」と「東京北空港」
我々日本国内(ここでは首都圏とする)に住む者が、飛行機で海外に行く際、空港へのアクセス方法、時間、料金などの条件が合えば、利用する空港は羽田空港であろうが、成田空港であろうが、茨城空港であろうが気にすることはないでしょう。
逆に、来日する外国人の目から見て、『HANEDA AIRPORT / NHD』、『NARITA AIRPORT / NRT』は認知された空港でしょう。
その反面、まだ開港して10年程度の茨城空港(IBARAKI AIRPORT)は、『「IBARAKI AIRPORT」とはなんぞや?』ということになるのでしょう。
これが『TOKYO NORTH AIRPORT / TNA(?)』表記である場合、「TOKYOに近い空港か」、とか「TOKYOにアクセスしやすそうだ」となり、「TOKYO NORTH AIRPORTを選択してみよう」となるのかもしれません。
現在、茨城空港のキャパには空きがあります。
もっと多くの訪日客が、茨城空港/東京北空港を選択してくれた場合、もう少し開けた未来があるのかもしれません。
ただ、茨城空港/東京北空港に到着した訪日客が茨城県内を見向きもせず素通りし、東京都内に直行してしまったとしたら、茨城県は外貨を稼ぐチャンスを逃していることになるのでしょう。
だから、「500円高速バス」を廃止するのか。
茨城県の大井川県知事が、茨城空港の高速バス「500円補助」をやめるってよ
〔 この項おしまい 〕