龍ケ崎祇園祭_撞舞の旅19
土浦の祇園祭の後は、茨城県龍ケ崎市で催されている、「龍ケ崎祇園祭」に参戦です。
今年令和元年の「龍ケ崎祇園祭」の開催期間は、07月26日(金)から28日(日)です。最終日の今日、28日は龍ケ崎市根町で『撞舞(つくまい)』が催されます。
2人の舞男がアマガエルの姿に扮し、17メートルの高さの柱上で舞を演じます。
4方に矢を放ち、豊作、雨ごい、疫病除けを祈願。
斜めに張ったロープを滑り降り、また昇っていきます。
「関東の三大奇祭」のひとつとして知られています。
常磐線 佐貫駅から関東鉄道竜ヶ崎線で竜ヶ崎駅へ
本日の天気は、昨日まで名古屋、岐阜の方で台風が発生し、強風が吹く可能性がありました。台風は温帯低気圧になりましたが、ここ龍ケ崎市内では、ときおり風が吹きます。
竜ヶ崎駅と龍ケ崎駅前商店街
16時30分過ぎ、常磐線佐貫駅を出発した関東鉄道龍ケ崎線の2両編成の車両は、竜ヶ崎駅ホームに入線します。
撞舞が始まるのは18時から。撞舞が始まる18時までは、まだ少し時間があります。龍ケ崎市街を散策しながら根町の撞舞会場に向かいます。
龍ケ崎祇園祭のメイン会場は、竜ヶ崎駅からのびる、駅前通りになります。
龍ケ崎市街地の主な商圏は、この駅前通りの一本北側の県道5号に移行しています。現在の竜ヶ崎駅前通りは、残念ながら「兵どもが夢のあと」の雰囲気を醸し出しています。
この駅前通り、夕刻から歩行者天国になり、お祭りのメインストリートになります。空き地を利用したアート会場や、出店などが準備を進めています。
また、飲食で出るゴミを捨てるためのごみ箱が設置されており、好感が持てます。たくさん食べたり飲んだりしたら、ゴミは絶対出てしまうもの。お祭り運営側がしっかりとごみ箱を準備することで、お祭りで発生するゴミに対するストレスが緩和されます。
その駅前通りを東に500メートルほど進むと、龍ケ崎の八坂神社があります。
神殿は鞘堂。
狛犬はちょっと独特な意匠。つるん、とした外観は、県北地域で見る意匠と似ています。降雨が原因で、石がなめらかになっただけだろうか?
大統寺と土岐胤倫の墓
この龍ケ崎八坂神社から300メートル北上したところに、曹洞宗 大統寺〔茨城県龍ケ崎市横町〕があります。
天正13年(16世紀後半)、龍ケ崎城主土岐胤倫(ときたねとも)が、根町大文字台地のふもとにあった臨済宗大雲寺を現在地に移し、叔父の天岩梵宿を招き、初代住職としました。その時に寺名を大統寺、宗派を曹洞宗に改めました。
この大統寺に、胤倫のお墓がある、と確認しており、探してみます。敷地内は墓石、お墓の敷地が入り組んでいます。さらに墓地内では「土岐胤倫の墓」を案内する看板や旗が立っていません。ヤブ蚊と格闘しながら、20分ほど墓石をぐるぐる探し、ようやく土岐胤倫のお墓を見つけることができました。
『撞舞』会場に到着
17:30に、根町の撞舞会場に到着。
根町の撞舞会場は、龍ケ崎、および近隣の住人で賑わいます。脇の広場ではコロッケ等の販売が行われています。コロッケを買ったりして場所を離れてしまうと撮影のベストポジションをキープできません。
撞舞はなるべく希望する(角度)場所で観たいので、しかるべく場所をキープします。龍ケ崎の撞舞は過去に、右手正面、真下から撮影しているので、今回は正面左手辺りの場所を確保します。
ゆるキャラの「まいりゅう」くん。龍ケ崎市のマスコットキャラクターです。今日はやたら動きが良く、小刻みに子ども達に駆け寄り、楽しませています。
龍ケ崎の獅子頭。根町の撞舞の通り沿いに建つお宅の中には、獅子頭を展示(奉納?)されているところが何軒があります。
八坂神社の御仮屋(屋台)には、根町の提灯が取り付けられています。
撞舞の柱からは、斜めに綱(ロープ)が張られています。この綱は、撞舞の舞台のひとつでもあります。
道路のマンホールの蓋を取ると、そこには杭を固体するための穴があり、杭を差し込み、先ほどの綱を固定しています。
いよいよ撞舞が始まります。
国選択・県指定無形民俗文化財『撞舞』
【動画】撞舞(Fill ver.)/令和元年 龍ケ崎祇園祭 撞舞
唐草模様で深緑色の筒袖の服と、たっつけ袴を着け、雨蛙の面をかぶった舞男二人。3人のお囃子の楽人が御仮屋でお祓いを受けます。楽人や舞男は御神酒を頂戴したあと、御仮屋から柱のある台に上がります。役員が口に酒を含み、舞男の足に酒を吹きかけます。
台上には氏子総代、市町はじめ来賓、当番長役員、根町役員が上がって見守る中、舞男二人は柱をのぼり始めます。柱頂上には白いさらしで覆われた大福状の舞台があります。その舞台の上に立ち、四方に弓矢を放ちます。
斜めに張られた綱を体と股ではさんで途中まで滑り降ります。綱の上では鉄棒のように2,3回、逆上がりを行います。そして、綱を足で挟んで体を逆さまにし、扇子を取り出し仰ぎます。再び、綱を上っていきます。
去年(平成30年)は、舞男が斜めの綱のところで意図せず、扇子を落としてしまったけど、今年は上手でした。
斜めに張った綱は、舞男が滑り降りてくるときは緩めに、舞男が上るときは強めに張るよう調整しています。
この神事のあと、根町の大通りを神馬と若者達が3回ほど全速力で往復します。昔はこの神馬の往復が、各町内で持ち回りの「当番制」だったそうです。
龍ケ崎駅前通りでは神輿の渡御
龍ケ崎駅前通はたいへん賑やか。各町の神輿も出ています。
龍ケ崎の神輿は、数え唄?みたいなものを歌いながら担いでいます。
茨城県内ではあまり、観たことがない「形態」です。
まだまだ熱気に包まれる龍ケ崎のお祭り会場を後にします。
竜ヶ崎線の電車に乗り、佐貫駅へ。
常磐線佐貫駅は来春(令和02年/2020)、『龍ケ崎市駅』に駅名を改称予定です。
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《 この項おしまい 》