常磐線 廃線の『金山トンネル』を探す北上の旅2003《失敗編》_第1章初日(1/3)

常磐線_廃トンネル_廃線_北上の旅

福島県いわき市:2003年04月05日(土)取材

♪今は山中、今は浜~、今は鉄橋渡るぞと~}(^O^)

ある程度の年齢の方なら聴いたことがある曲、『汽車』。
実はこの曲、常磐線を舞台にしているのって、知っていました??

柏駅から常磐線を北上し、水戸駅を抜け、さらに北上。茨城県最北の大津港駅を通り、福島県に入った勿来駅(なこそ)も通ります。そしていわき駅(旧・平駅)に到着し、さらに北上した四ツ倉駅から富岡駅にかけての間に、常磐線の旧線があり、旧トンネル(廃線扱いされる方もおられます)が残されています。

広野駅から久ノ浜駅を通る電車の窓から見える風景は、冒頭に掲げた『汽車』の歌詞として表現されている、とされています。

昭和42年、常磐線は車両が電化されるために架線が張られることになりました。当時使用していた旧トンネル(隧道)のままだと架線を張るための高さが足りません。トンネルの拡張工事も考えられたようですが、結局新たにトンネルを掘ることになりました。新トンネルが完成された後、旧トンネルは破棄されました。

今回の『ぶらり茨城』は福島県を舞台にしております。が、「常磐線」は茨城にとってとても大切な交通機関です。『ぶらり茨城』番外編の廃線跡巡りとしてお楽しみいただければ幸いです。

 

 

 

常磐線 各駅停車で北上

06時半に起床です。
昨日の夜から降り続くに気が引けますが、なにせ「18きっぷ」の使用期限が04月10日まで。今回の土・日しか利用する機会がありません。出発です!

雨足は強くなったり弱くなったり。
柏駅で入線してきた車両は、先頭車両が2階建て。おおー、前に見たことがありますぞー。一見、新幹線Maxやまびこみたいですが、これでも普通車両指定券特急券も必要なく、普通乗車券のみで乗車することができます。

常磐線2階建て車両_415系<br srcset=

常磐線には2階建て車両が1つだけあるそうです。柏駅から乗車し、下車した水戸駅で撮影。” width=”500″ height=”375″> 常磐線2階建て車両_415系
常磐線には2階建て車両が1つだけあるそうです。柏駅から乗車し、下車した水戸駅で撮影。

常磐線415系<br srcset=

2階席は適度に埋まっていたので、1階席に下ります。” width=”500″ height=”375″> 常磐線415系
2階席は適度に埋まっていたので、1階席に下ります。

415系_座席シート<br srcset=

4人掛けのボックスシートです。” width=”500″ height=”375″> 415系_座席シート
4人掛けのボックスシートです。

2階ボックス席は適度に埋まっていましたので、1階のボックス席を確保。水戸方面に北上していきます。1階の座席は目線がホームの地面すれすれの位置。いつもと違う常磐線の風景が新鮮です(^^。

常磐線 2階建て車両(415系)1階席<br srcset=

窓の高さは、駅ホームの高さぎりぎり。” width=”500″ height=”375″> 常磐線 2階建て車両(415系)1階席
窓の高さは、駅ホームの高さぎりぎり。

常磐線 415系<br srcset=

天井が低く、圧迫感があります。” width=”500″ height=”375″> 常磐線 2階建て車両(415系) 天井部
天井が低く、圧迫感があります。

水戸駅着。この2階建て車両は次の勝田駅まで行きますが、水戸駅3番線のいわき駅行きが先に出るようなので乗り換えます。10時02分、電車が出ます。は依然として降り続けます。

この電車だといわき駅に着いても、さらに北上する電車に接続する事がむつかしくなります。いわき駅で30分以上待つことになるので、どこか途中の駅で降りてぶらつき、次の電車に乗っても十分間に合うのです。

 

常磐線 日立駅で降りてみる事にする

そこで降り立ったのが、日立駅

常磐線 日立駅 (海岸口)<br srcset=

海岸口の改札は、suicaに対応していないようです。雨が依然強い。。” width=”500″ height=”375″> 常磐線 日立駅 (海岸口)
海岸口の改札は、suicaに対応していないようです。雨が依然強い。。

ちょっと降り立つにはもあるし時間をつぶすにはちょうど良いな~って思っていました。ところが、海を見た後回り込んだ日立駅中央口側は開けていてぶらぶらしていたら、時間が足りませんでした。

海が見える<br srcset=

日立駅海岸口から徒歩数分、坂道の先には海が見えます。” width=”500″ height=”375″> 海が見える
日立駅海岸口から徒歩数分、坂道の先には海が見えます。

海岸沿いには渋い家<br srcset=

もう少し海より荷進んでいくと、なかなか渋い素材感の家があります。” width=”500″ height=”375″> 海岸沿いには渋い家
もう少し海よりに進んでいくと、なかなか渋い素材感の家があります。

跨線橋を渡り、日立駅の反対側へ<br srcset=

常磐線の線路をまたぐように、高架橋(跨線橋って言うの?)があるので、渡ります。” width=”500″ height=”375″> 跨線橋を渡り、日立駅の反対側へ
常磐線の線路をまたぐように、高架橋(跨線橋って言うの?)があるので、渡ります。

伊謝波神社(いざわ・じんじゃ)<br srcset=

跨線橋を渡ると日立の広大な敷地があり、一角に神社が。” width=”500″ height=”375″> 伊謝波神社(いざわ・じんじゃ)
跨線橋を渡ると日立の広大な敷地があり、一角に神社が。

常磐線 日立駅 中央口<br srcset=

こちらの駅前の方が栄えています。” width=”500″ height=”375″> 常磐線 日立駅 中央口
こちらの駅前の方が栄えています。

日立駅前広場完成イメージ<br srcset=

日立駅中央口駅前は整備されている途中なのでしょうかね?” width=”500″ height=”375″> 日立駅前広場完成イメージ
日立駅中央口駅前は整備されている途中なのでしょうかね?

日立駅前に煙突<br srcset=

あれがかの有名な、日立の大煙突なのかな??” width=”500″ height=”375″> 日立駅前に煙突
あれがかの有名な、日立の大煙突なのかな??

11時07分に入線してきた電車に乗り、いわき駅に向かいます。
以前にも訪れた、大津港駅勿来駅(なこそ)と停車。

日立駅 中央口 改札<br srcset=

改札脇には「Hitachi」の文字。日立駅は日立の町なんですね。” width=”500″ height=”375″> 日立駅 中央口 改札
改札脇には「Hitachi」の文字。日立駅は日立の町なんですね。

日立駅ホーム<br srcset=

いわき駅行きの車両が入線してきます。” width=”500″ height=”375″> 日立駅ホーム
いわき駅行きの車両が入線してきます。

今日向かおうとしている常磐線旧線のトンネル跡四ツ倉駅以降なのですが、その手前でもたくさんのトンネルがあるようです。電車の窓からトンネル跡があることを確認できました。そのうちに訪問したく思います。

 

いわき駅到着。さらに、四ツ倉駅に向かう

12時18分、いわき駅に到着。

常磐線 いわき駅 到着<br srcset=

時間はまだ、12時を回ったところ。ホテルのチェックインにも早すぎる。” width=”500″ height=”375″> 常磐線 いわき駅 到着
時間はまだ、12時を回ったところ。ホテルのチェックインにも早すぎる。

 

今日宿泊予約をしているホテルいわき駅近くにあります。しかしまだ時間が早いですからさらに北上する事にします。原ノ町駅行きの電車(ドアはボタンで開け閉めする!(@@))に乗り換えます。

1,2番線ホームに洗面台がある<br srcset=

いわき駅ホームには、なぜか立派な古めかしい洗面台があります?” width=”500″ height=”375″> 1,2番線ホームに洗面台がある
いわき駅ホームには、なぜか立派な古めかしい洗面台があります?

跨線橋を渡り、下り電車ホームへ<br srcset=

時間があるので、もう少し常磐線を北上する事にします。” width=”500″ height=”375″> 跨線橋を渡り、下り電車ホームへ
時間があるので、もう少し常磐線を北上する事にします。

3番線乗り場の案内<br srcset=

次の3番線の電車は、12時26分発、原ノ町駅行き。” width=”500″ height=”375″> 3番線乗り場の案内
次の3番線の電車は、12時26分発、原ノ町駅行き。

原ノ町駅行き電車<br srcset=

いわき駅から四ツ倉駅方面に向かう為、乗換えます。扉の開閉はボタン式!?” width=”500″ height=”375″> 原ノ町駅行き電車
いわき駅から四ツ倉駅方面に向かう為、乗換えます。扉の開閉はボタン式!?

うーん、がまだまだ降り続いていますね~。

 

常磐線 四ツ倉駅に着く

原ノ町駅に向かう電車では車内放送で、「無人駅では先頭車両の一番前から降りてください」のアナウンス。どういう意味か分からず、ドキドキします。。

四ツ倉駅無人駅だったら、今いる位置から車両前方に移動しなければならないようです。車内移動にもたもたしてしまうと、降りられなくなるかもしれない・・・(--;。
しかし、四ツ倉駅無人駅でなかったので、すぐ近くのドアから降りることができて一安心。

四ツ倉駅 駅名標<br srcset=

雨が降る中、常磐線四ツ倉駅に到着です。” width=”500″ height=”375″> 四ツ倉駅 駅名標
雨が降る中、常磐線四ツ倉駅に到着です。

常磐線 四ツ倉駅 有人改札<br srcset=

suicaに対応しない、駅員さんが対応する改札。” width=”500″ height=”375″> 常磐線 四ツ倉駅 有人改札
suicaに対応しない、駅員さんが対応する改札。

常磐線 四ツ倉駅 みどりの窓口<br srcset=

無人駅どころか、四ツ倉駅はみどりの窓口がある駅でした。” width=”500″ height=”375″> 常磐線 四ツ倉駅 みどりの窓口
無人駅どころか、四ツ倉駅はみどりの窓口がある駅でした。

常磐線 四ツ倉駅 駅舎<br srcset=

四ツ倉駅駅前にはロータリーもあり、住宅もあって栄えています。” width=”500″ height=”375″> 常磐線 四ツ倉駅 駅舎
四ツ倉駅駅前にはロータリーもあり、住宅もあって栄えています。

依然、が強いので、持ってきていた撥水加工のズボンをジーパンの上から履きます。が強いし、寒いし、この先が心配です・・・(--。

 

常磐線の旧トンネル探訪するも惨敗・・・

駅近くのスーパーおにぎりお茶チョコレートを買い、久ノ浜駅方面に歩き始めます。住宅街が続きます。があるなんて、少し意外でした。四ツ倉駅周辺は道路と自然しかないと思っていたのに、ずーっと住宅が確認できます。これなら迷うことも無いかも。

四ツ倉トンネル方面に向かう<br srcset=

常磐線の単線が四ツ倉駅から延びています。進行方向先、あの先に四ツ倉トンネルがあるはず。。” width=”500″ height=”375″> 四ツ倉トンネル方面に向かう
常磐線の単線が四ツ倉駅から延びています。進行方向先、あの先に四ツ倉トンネルがあるはず。。

線路に平行して道があると思ってた<br srcset=

しかし、四ツ倉トンネルどころか、線路に沿って道は続かず、くねくねと道路は曲がります。” width=”500″ height=”375″> 線路に平行して道があると思ってた
しかし、四ツ倉トンネルどころか、線路に沿って道は続かず、くねくねと道路は曲がります。

しかし、いつも通り下調べを入念にしてこなかったことが裏目に出ました・・・。
当初は常磐線の線路道路が平行に走っているものと思っていたので、道路に沿って歩いていけばトンネルはすぐに見つかるだろう、と侮っていたのです・・・。

ところが道路線路はすぐに離れ、線路山道に入っていってしまいます・・・。線路がある方面を見失わないように進むものの、住宅街の道区画整理が上手にできていなくて、行き止まりの道が多いこと多いこと・・・。

道に迷って、廃バス<br srcset=

くねくね曲がりながら山道に迷い込むと、車体後ろ下半分が削り取られた廃バスがありました。こわい~(´xωx`)。” width=”500″ height=”375″> 道に迷って、廃バス
くねくね曲がりながら山道に迷い込むと、車体後ろ下半分が削り取られた廃バスがありました。こわい~(´xωx`)。

 

いつのまにか道に迷い山の中まで入って行ってしまいました。そして道なき道を歩いているうちに手詰まり。仕方なく、元来た道を戻るという、タイムロスです・・・(´;ω;`)。

途中で警察署を見つけたので、道を聞いて旧国道6号をさまよいます。
四ツ倉トンネル鞍掛山トンネル向山トンネルも見つけることができず、国道6号(現行道路)に合流してしまいました。

警察署脇の旧国道6号線<br srcset=

旧6号を進むも、常磐線旧トンネルはいっこうに発見できず。。。” width=”500″ height=”375″> 警察署脇の旧国道6号線
旧6号を進むも、常磐線旧トンネルはいっこうに発見できず。。。

常磐線と再開する<br srcset=

住宅の向こう側の少し高い丘が常磐線の線路です。” width=”500″ height=”375″> 常磐線と再開する
住宅の向こう側の少し高い丘が常磐線の線路です。

保守用道路を歩く<br srcset=

写真右手の高いところが、常磐線線路。こちらは保守用道路。” width=”500″ height=”375″> 保守用道路を歩く
写真右手の高いところが、常磐線線路。こちらは保守用道路。

国道6号線がY字に別れ、常磐線久ノ浜駅方面に迎えます。

国道6号線がY字に別れ、常磐線久ノ浜駅方面に向かいます。

 

朝から降り続ける撥水加工のジャンパーズボンもびしょびしょ。当然のことながら、服の中までもびしょびしょで体が冷えてしまいます・・・。
ラーメン屋味噌ねぎラーメンを食し、体温の向上を目指します。
しかし、交通の激しい6号を雨風の強い中、歩きつづけます。いつのまにか防水加工の靴の中もぐっちょりです・・・。

 

常磐線 久ノ浜駅に生還する

久ノ浜駅に到着しました。

常磐線 久ノ浜駅<br srcset=

すでに福の中までびしょびしょで、ゆっくり駅舎を撮影する気力がありません。。。” width=”500″ height=”375″> 常磐線 久ノ浜駅
すでに福の中までびしょびしょで、ゆっくり駅舎を撮影する気力がありません。。。

本来なら四ツ倉トンネル倉掛山トンネル向山トンネルを見つけ、次の原見坂トンネルを見つけに行くつもりでした。しかし、予想以外の天候の悪さに、これ以上の活動が不可能であることを実感しました・・・。いわき駅に戻る電車を待ちます。

15時44分、久ノ浜駅を出ます。
歩くと数時間も掛かった山道が、あっという間。電車は先ほど下車した四ツ倉駅に着きます。向山トンネル四ツ倉トンネルも電車の中からだと、簡単に見つけられました・・・。

 

ホテルにチェックインし、明日に備えます・・・

15時58分、いわき駅に到着。

常磐線 いわき駅 駅舎<br srcset=

本日はいわき駅近くにビジネスホテルを予約してあります。早く、服を着替えたい。。” width=”500″ height=”375″> 常磐線 いわき駅 駅舎
本日はいわき駅近くにビジネスホテルを予約してあります。早く、服を着替えたい。。

 

駅前を簡単に撮影し、予約しているビジネスホテルに向かいます。もっといわき駅周辺を散策したかったのですが、服や靴がびしょびしょなので、最低限の行動だけしてチェックイン。

本日お世話になるビジホ<br srcset=

ローカルなビジネスホテルに泊まるのがマイブーム。” width=”500″ height=”375″> 本日お世話になるビジホ
ローカルなビジネスホテルに泊まるのがマイブーム。

ビジネスホテル東洋<br srcset=

本日お世話になるビジネスホテル。” width=”500″ height=”375″> ビジネスホテル東洋
本日お世話になるビジネスホテル。

シングルベッド<br srcset=

浴衣ではなくパジャマが用意されています。” width=”500″ height=”375″> シングルベッド
浴衣ではなくパジャマが用意されています。

テレビにポットに湯沸かし器<br srcset=

一通りの物がそろっています。” width=”500″ height=”375″> テレビにポットに湯沸かし器
一通りの物がそろっています。

洗面台チェック<br srcset=

体力がもう無いので、ほどほどにチェックします。” width=”500″ height=”375″> 洗面台チェック
体力がもう無いので、ほどほどにチェックします。

古い感じのドライヤー<br srcset=

なんか、掃除機みたいだな~。” width=”500″ height=”375″> 古い感じのドライヤー
なんか、掃除機みたいだな~。

を乾かすためにハンガーにかけ、シャワーを浴びます。この後、再び外出しようにも、靴がびっしょりなので本日の活動はこれ以上できません。ふてくされて寝てしまいました。

ちょっと今日はギブアップ<br srcset=

洋服、靴はびちょびちょだし、まだ雨は降っているし、で、今日の活動はこれまで。また明日。” width=”500″ height=”375″> ちょっと今日はギブアップ
洋服、靴はびちょびちょだし、まだ雨は降っているし、で、今日の活動はこれまで。また明日。

 

 


Re:ぶらり茨城(2018年10月24日記載)

【 常磐線の旧トンネル探索は、浪漫の感じがしたけど 】

2003年当時、常磐線の事を調べている内に、「常磐線には旧トンネルがあり、今は廃棄されて使用されていない」、そんな情報を知りました。ならば、さくっとトンネルを見に行って記事にしようかな~、くらいの軽い気持ちでいわき入りを予定していました。

ところがいわき入りの当日、前夜から降り続ける雨。地方の道路がくねくね曲がっていると言う事実を体感しました。たかが『四ツ倉駅-久ノ浜駅』の“ひと駅”区間なのに、危うく山道にて遭難しかけた旅でした。

この2003年当時はスマホはありませんでした。「訪問するべき場所の地図は事前にパソコンで調べて印刷した物を持って行く」、のがスタイルでした。
今の時代だったら、見知らぬ駅に到着してすぐ、スマホで地図検索して、場合によってはスマホにナビをさせて、カンタンチックに旅をしてしまうんでしょうね。

 

このページについて

このページは、2003年04月05日に取材した内容に基づき、2003年05月02日に書かれています。本文は当時の原稿を加筆修正している関係で、初出典時と写真や表現が異なる場合がございます。